聲の形。全巻手に入れたので一気に読んでみた。
主人公の少年(石田将也)と聴覚障害を持つ少女(西宮硝子)を中心としたお話。
小学校でのいじめの描写も色々考えさせられるけど、何より人と人とのコミュニケーションや、人と人がわかりあうことの難しさ。それが身に沁みる作品。
自分が正しいと思うことは、決してそうではないし、相手が思うこと、感じることを理解することの難しさ。いや、難しさじゃなくて不可能なのかもしれない。そう感じる。
自分自身を振り返り、果たして主人公たちほど考え、行動したか。今更になって気になる。
「第47話(6巻)佐原みよこ」で、寝起きに佐原が考え、独り言としてつぶやくこと。
「私、何か見落としてた?」
「私、力になれてなかった?」
「なんで私に何も相談してくれなかったの?」
「でも私はそんなことわざわざ聞いたりしないよ」
「どうにもならなかったんだよね…」
悲しいけど、人の心、気持ちそして考えた結果の行動を理解するのは、やはりできないことを痛感する。
最終話では、自分(自分たち)の心にそれぞれが向き合い、行動していく姿が描かれる。解釈は、読み手に任されている感じで終わる。またそれがとても気持ち良い。
全7巻一気に読み、自分自身が小学生の頃体験したこと、してしまったこと。中学・高校とちゃんと向き合うこともせずに、時間だけが経ってしまった。そしてそれが、今なおやはり気持ちのどこかに残っていて、結構泣いた。そんな作品です。